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■FFR-31MR/D 機体解説
多目的偵察機FFR-31MR「スーパーシルフ」の改良型で、空力設定を改善、高速時の抵抗軽減と操縦性の改良を図った機体がFFR-31MR/Dと呼ばれる。センサーやデータリンク装備
能力は基本的には通常型FFR-31MRと同一だが、TARPSポッドの外形やセンサー・ブレードの形状も改良が加えられ、通常型のものよりもコンパクトになっている。本来は武装なしの偵察専用の機体として
開発されたが、フェアリィ星での初期の戦訓から自衛用の武装が必要とされ、主翼下と胴体エンジンポッド側面にAAM用のハードポイントが設けられた。
計画当初、FFR-31MR/D型は通常型と同じく戦術偵察機となる予定であった。しかしラムジェットブースターを追加装備する事によって、速度性能がさらに向上することが期待できた為、実際の生産機の
ほとんどはラムジェット・ブースター装備の超高速戦略偵察機となった。ただしごく少数はラムジェット無しのまま完成している。
FFR-31MR/Dは、通常型のFFR-31MRの生産ロットの中に混在する形で少数が製造された。通常型FFR-31MRの開発・製造予算の承認にもFAFは様々な変則的な方策を用いたが、このD型の製造
にはそれ以上に予算措置上の障害が大きかった。
通常型FFR-31MRのシリアルナンバー中にD型を分散して目立たないように発注したのも、予算獲得の為のFAFの方便であったと思われる。そのためD型のシリアルナンバーは連続しておらず、何機がD型
として完成したかに付いては資料により様々な推定があり、正確な機数は不明だが、最大でも7機、最も少ない推定では5機と言われている。
FFR-31MR/DのほとんどはFAF航空宇宙防衛軍団の防衛偵察航空団に配備され、惑星フェアリィ奥地のジャム制空権下への長距離戦略偵察任務にあたった。ただし1機のみ(おそらくラムジェット・ブースター
無しの機体)は戦略的運用の研究評価と通常型FFR-31MRとの比較評価との目的で、戦術航空団の特殊戦部隊題飛行隊、通称“ブーメラン部隊”に配備されたと言われる。一部の資料ではこの機体のシリアルを
29-0113としている。このFFR-31MR/Dは偵察任務中に未帰還となったと言われる。戦闘により失われた第5飛行隊のスーパーシルフはこの1機のみであったとされ、それが事実であれば第5飛行隊中で
最も高速・高性能な唯一のD型が、ただ1機の戦闘中の喪失機となったのは皮肉な事と言えるだろう。公式資料では数機のFFR-31MRが抹消されている事は示され、その中にはシリアル29-0113の機体も
記されているが、この機体がD型であったか否かは明かされておらず、各機の喪失原因や状況に付いても記述はされていない。 |
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